思考実験:エスパーコントロールvs黒単信心
2014年5月30日コメント (7)あなたはエスパーコントロールを使って黒単信心と対戦している。
あなたの先手でゲームは開始し、後手3ターン目に相手がプレイした生命散らしのゾンビがこのゲームのファーストアクションとなった。
対戦相手の土地は沼、沼、変わり谷で全てタップ状態のまま、ゾンビを召喚してすぐにターンを返した。
さて、先手4ターン目、平地を置いた後にあなたはこのゾンビを除去したいとする。
手札にある除去で使えるものは
英雄の破滅
至高の評決
拘留の宝球
肉貪り
の4種類である。
どの除去を使うべきだろう?
なお、こちらの土地は4枚、全てアンタップ状態であり、青白ギルラン、青黒ギルラン、黒白ギルラン、平地である。
そしてそれ以外の情報は一切無いものとする。
結論から言えば、もし自分なら【肉貪り】をプレイする。
だけれどもおそらく、この答えは100人に聞いたところで満場一致とはいかないだろう。
それは何故かといえばこの問いに答えるには黒単信心という相手のデッキに対する総合的な知識と、それに、エスパーコントロールvs黒単信心というゲームの勝敗がどのような要素に左右されるかという情報が必要だからだ。
■ここでまず、このマッチアップでパーマネントがどのように負けパターンに関係するか分析してみよう
・その1:地下世界の人脈or死者の神、エレボスに触れずにアドバンテージ差で負け
多分これがいちばん多い。
パーマネントの中でもエンチャントというのは比較的触りづらい部分であり、ハンデスで対応手段を抜くだけでも対処不能になることが多いからだ。
・その2:群れネズミによるビートダウン
次に多いのがこれ。
確かに序盤は除去されやすいのだけど、5ターン目以降の群れネズミは単体除去が事実上効かず、全体除去で対処するしかなくなってしまう。
あと変わり谷と合わせるとクロックが早い。中盤以降はある程度手札があると、出した次のターンに10点以上削ることもあるため、油断ができない。
・その3:変わり谷、冒涜の悪魔、生命散らしのゾンビ、夜帳の死霊などで適当に削ってアスフォデルの灰色商人でフィニッシュ
これはたまにある。
要はある程度クロックが用意できて、アスフォデルの灰色商人の射程圏内にライフをどう持っていくかってゲームプランになった時はこういう展開になりがち。
・その4:エレボスの鞭が動きだして負け
これは結構レアな割にはまると抜け出しづらい。
青白X系からすると鞭はすごい対処しづらいのだけど、枚数自体がそこまでとられていないためか、頻発はしないイメージ。
■これを踏まえて、エスパーに対して強い順に黒単信心に入っているパーマネントを並べてみよう
地下世界の人脈or死者の神、エレボス>群れネズミ>エレボスの鞭>変わり谷>その他
というのが個人的な印象。
■さらに、これを踏まえて4種類の除去カードのこのマッチアップにおける強さを検証してみよう
○...とてもよく効く
△...まあまあ効く
×...あまり効かない
・英雄の破滅
地下世界の人脈or死者の神、エレボス←×
群れネズミ←△
エレボスの鞭←×
変わり谷←○
その他←○
・至高の評決
地下世界の人脈or死者の神、エレボス←×
群れネズミ←○
エレボスの鞭←×
変わり谷←×
その他←○
・拘留の宝球
地下世界の人脈or死者の神、エレボス←○
群れネズミ←○
エレボスの鞭←○
変わり谷←×
その他←○
・肉貪り
地下世界の人脈or死者の神、エレボス←×
群れネズミ←△
エレボスの鞭←×
変わり谷←△
その他←△
■結論
といった感じになり、ざっと見ただけでもこのマッチアップで拘留の宝球だけが飛びぬけて強いのがわかるだろう。
なので宝球を使う選択肢がまず最初に消える。
宝球はいちばんの負けパターンである人脈とエレボスに触れる唯一のカード(ついでに言えばエレボスの鞭にも)であるため、今ここで使わず温存すべきである、というのがセオリーだと思う。
3択になった中から次に消えるのは至高の評決だと思う。
他のふたつに比べて谷に触れないために使いづらく思えるかもしれないが、2番目に多い負けパターンである群れネズミには3枚の中ではこれでしか完全に対処することができないからだ。
で、英雄の破滅と肉貪りの2択ならば肉貪りかと。
何故ならば肉貪りは状況限定の除去だから、今このタイミングでなければゾンビを殺せないカードになってしまう可能性があるため。
例えば今ゾンビに英雄の破滅を打ったとして、相手が次のターン沼セットからもう1体ゾンビを出してきたらもはや肉貪りで次のゾンビに対処することは難しくなるけど、もしこれが逆だったら2体目に英雄の破滅を打てばいいだけである。
従って経験則と状況から鑑みて【肉貪り】が最も受けの狭いカードであるため、「手札のカードで生命散らしのゾンビを今殺したい」という前提なら肉貪りを使うべきという判断。
マナの効率とか考えるとまた変わってくるんだろうけど、今回はそこは考えないという前提なので。
■あとがき
なぜこういうことを書いてみようかと思ったかというと、自分自身が除去の優先度を間違えて、打たなくてもいい除去を打たなくてもいいクリーチャーに打って、それが響いて負けてしまうことがフォーマット問わず多かったから。
あとは占術ランドがスタンダードリーガルになってから上に置くか下に置くかですごい悩んでる人を見かける気がして、それって単純に悩ましい局面だからって場合ももちろんあると思うんだけど、トップにあるカードがそのマッチアップで、あるいはその局面で、どのくらいの影響度を持っているのかを正しく認識できていないからなのかもしれないなーと思ってみたり。
その場で考えてみたって別に悪くはないと思うけど、最初からある程度理解したうえで臨んでればプレイ時間も節約できるし、ミスも減るんでないかなーと思ってみたわけですよ。
上手いプレイヤーってのは結局なんなのかって要素は無限にあると思うけど、そのひとつがこういうカードの使い方だと思う。
強い人はこんなの当たり前にできてるんだろうし、はいはいそーですかって感じなのかもしれないけど、これを見て誰かがマジックをするうえで助けになれば嬉しいなーと個人的には思います。
あと、自分ならこうするって話なんで、もし自分ならこうするとかの意見は歓迎だけど、あげ足取りとか叩きはやめてくださいw
これが正解とか偉そうに言うつもりはないし、そこにはただとりあえずの解があるだけなので。
自分はこういう考え方でマジックやってますよーって話です。
前向きな意見なら大歓迎ですのでコメント欄にてお願いしますー。
あなたの先手でゲームは開始し、後手3ターン目に相手がプレイした生命散らしのゾンビがこのゲームのファーストアクションとなった。
対戦相手の土地は沼、沼、変わり谷で全てタップ状態のまま、ゾンビを召喚してすぐにターンを返した。
さて、先手4ターン目、平地を置いた後にあなたはこのゾンビを除去したいとする。
手札にある除去で使えるものは
英雄の破滅
至高の評決
拘留の宝球
肉貪り
の4種類である。
どの除去を使うべきだろう?
なお、こちらの土地は4枚、全てアンタップ状態であり、青白ギルラン、青黒ギルラン、黒白ギルラン、平地である。
そしてそれ以外の情報は一切無いものとする。
結論から言えば、もし自分なら【肉貪り】をプレイする。
だけれどもおそらく、この答えは100人に聞いたところで満場一致とはいかないだろう。
それは何故かといえばこの問いに答えるには黒単信心という相手のデッキに対する総合的な知識と、それに、エスパーコントロールvs黒単信心というゲームの勝敗がどのような要素に左右されるかという情報が必要だからだ。
■ここでまず、このマッチアップでパーマネントがどのように負けパターンに関係するか分析してみよう
・その1:地下世界の人脈or死者の神、エレボスに触れずにアドバンテージ差で負け
多分これがいちばん多い。
パーマネントの中でもエンチャントというのは比較的触りづらい部分であり、ハンデスで対応手段を抜くだけでも対処不能になることが多いからだ。
・その2:群れネズミによるビートダウン
次に多いのがこれ。
確かに序盤は除去されやすいのだけど、5ターン目以降の群れネズミは単体除去が事実上効かず、全体除去で対処するしかなくなってしまう。
あと変わり谷と合わせるとクロックが早い。中盤以降はある程度手札があると、出した次のターンに10点以上削ることもあるため、油断ができない。
・その3:変わり谷、冒涜の悪魔、生命散らしのゾンビ、夜帳の死霊などで適当に削ってアスフォデルの灰色商人でフィニッシュ
これはたまにある。
要はある程度クロックが用意できて、アスフォデルの灰色商人の射程圏内にライフをどう持っていくかってゲームプランになった時はこういう展開になりがち。
・その4:エレボスの鞭が動きだして負け
これは結構レアな割にはまると抜け出しづらい。
青白X系からすると鞭はすごい対処しづらいのだけど、枚数自体がそこまでとられていないためか、頻発はしないイメージ。
■これを踏まえて、エスパーに対して強い順に黒単信心に入っているパーマネントを並べてみよう
地下世界の人脈or死者の神、エレボス>群れネズミ>エレボスの鞭>変わり谷>その他
というのが個人的な印象。
■さらに、これを踏まえて4種類の除去カードのこのマッチアップにおける強さを検証してみよう
○...とてもよく効く
△...まあまあ効く
×...あまり効かない
・英雄の破滅
地下世界の人脈or死者の神、エレボス←×
群れネズミ←△
エレボスの鞭←×
変わり谷←○
その他←○
・至高の評決
地下世界の人脈or死者の神、エレボス←×
群れネズミ←○
エレボスの鞭←×
変わり谷←×
その他←○
・拘留の宝球
地下世界の人脈or死者の神、エレボス←○
群れネズミ←○
エレボスの鞭←○
変わり谷←×
その他←○
・肉貪り
地下世界の人脈or死者の神、エレボス←×
群れネズミ←△
エレボスの鞭←×
変わり谷←△
その他←△
■結論
といった感じになり、ざっと見ただけでもこのマッチアップで拘留の宝球だけが飛びぬけて強いのがわかるだろう。
なので宝球を使う選択肢がまず最初に消える。
宝球はいちばんの負けパターンである人脈とエレボスに触れる唯一のカード(ついでに言えばエレボスの鞭にも)であるため、今ここで使わず温存すべきである、というのがセオリーだと思う。
3択になった中から次に消えるのは至高の評決だと思う。
他のふたつに比べて谷に触れないために使いづらく思えるかもしれないが、2番目に多い負けパターンである群れネズミには3枚の中ではこれでしか完全に対処することができないからだ。
で、英雄の破滅と肉貪りの2択ならば肉貪りかと。
何故ならば肉貪りは状況限定の除去だから、今このタイミングでなければゾンビを殺せないカードになってしまう可能性があるため。
例えば今ゾンビに英雄の破滅を打ったとして、相手が次のターン沼セットからもう1体ゾンビを出してきたらもはや肉貪りで次のゾンビに対処することは難しくなるけど、もしこれが逆だったら2体目に英雄の破滅を打てばいいだけである。
従って経験則と状況から鑑みて【肉貪り】が最も受けの狭いカードであるため、「手札のカードで生命散らしのゾンビを今殺したい」という前提なら肉貪りを使うべきという判断。
マナの効率とか考えるとまた変わってくるんだろうけど、今回はそこは考えないという前提なので。
■あとがき
なぜこういうことを書いてみようかと思ったかというと、自分自身が除去の優先度を間違えて、打たなくてもいい除去を打たなくてもいいクリーチャーに打って、それが響いて負けてしまうことがフォーマット問わず多かったから。
あとは占術ランドがスタンダードリーガルになってから上に置くか下に置くかですごい悩んでる人を見かける気がして、それって単純に悩ましい局面だからって場合ももちろんあると思うんだけど、トップにあるカードがそのマッチアップで、あるいはその局面で、どのくらいの影響度を持っているのかを正しく認識できていないからなのかもしれないなーと思ってみたり。
その場で考えてみたって別に悪くはないと思うけど、最初からある程度理解したうえで臨んでればプレイ時間も節約できるし、ミスも減るんでないかなーと思ってみたわけですよ。
上手いプレイヤーってのは結局なんなのかって要素は無限にあると思うけど、そのひとつがこういうカードの使い方だと思う。
強い人はこんなの当たり前にできてるんだろうし、はいはいそーですかって感じなのかもしれないけど、これを見て誰かがマジックをするうえで助けになれば嬉しいなーと個人的には思います。
あと、自分ならこうするって話なんで、もし自分ならこうするとかの意見は歓迎だけど、あげ足取りとか叩きはやめてくださいw
これが正解とか偉そうに言うつもりはないし、そこにはただとりあえずの解があるだけなので。
自分はこういう考え方でマジックやってますよーって話です。
前向きな意見なら大歓迎ですのでコメント欄にてお願いしますー。
コメント
理由としてはまだ3ターン目であるので相手がタッチ白で血男爵を入れてるのをケアして肉貪りはとっておきたい。
ダウンフォールは谷を除去できるのでうちたくない。
宝球は人脈に対処できるためうちたくないと考えたからです。
記事にも有るとおり評決は唯一ネズミに完全に対応できる貴重なカードですが自分の経験では逆にネズミに完全に対応できる以外では特に優れた点がなくハンドに腐ることが多い気がします。
なので後引きを期待して評決をうちます。
お言葉ではありますが血男爵は評決でも殺せるし、中盤以降は肉貪りでも殺しづらくなると思います(>_
で、上手い人とかはそれを敏感に感じとって谷でビートダウンしてくるんですよねw
なのでここで評決はアリだと思います!
僕だったらこの場面でメインでは除去を打たないと思います。
理由は次のターンのアクションに対してカウンターを構えたいからです。傍観者さんの仰る通り黒単の4マナ域にはエスパー側が通すと負けるカードが集中していて、タップアウトで相手にターンを返すのは危険だと判断します。
もし手札にカウンターがないとしても4ターン目の相手の行動を見たいです。場合分けしてエスパー側が相手にして欲しい順に見ていくと、
1:ゾンビと谷で殴られる→相手の残り2マナでこちらが負けるアクションはないので、《変わり谷》に《英雄の破滅》。
2:追加のクリーチャーを展開される→ゾンビの3点をテイクして次のターン《至高の評決》。
3:《地下世界の人脈》やエレボスを張られる→ゾンビを《英雄の破滅》。次のターンアンタップインの土地を置いて《拘留の宝球》を置きながら《肉貪り》を構える
or土地を引かなかったり占術土地しかない場合を想定するなら《肉貪り》を撃って《英雄の破滅》を温存して《冒涜の悪魔》などに備える。
4:《思考囲い》→このパターンが最悪で一番考えると思います。それでもカウンターがないなら手札オープンして相手の行動を見ると思います。その後はまた相手の行動次第でプレイングを変えます。
……という感じに自分は考えます。基本1:1交換は黒単側が一番やりたいことなので、どこかで上手く手札差で勝つことを青白コンを使うときは考えます。
何かの参考になれば幸いです!長文駄文失礼しました。
コメントありがとうございます!
まず初めに申し上げておきたいのが、これはプレイングについての議論ではないということです^^;
いや、プレイングといえばプレイングなのですが、よく読んでもらえるとおわかりいただけるかとは思いますが、そもそもが「除去を打つとしたら何を使うのか」という前提で記事を書いてるので、一般的な戦略記事とは少し違いますw
仮に「次の一手」的なコラムなら、少なくとも自分の手札や墓地は全て漏れなく記載すべきかなあと僕は思ってますw
プレイング議論という前提ならみみみさんのおっしゃることは一理あると思いますよ!
ただ、理想はそうなのですが、相手が上手いとなかなかそう立ち回らせてはくれないものです。。
僕は対黒単信心は「欲張りすぎない」ことをテーマにしています。
例えばゾンビ1体に評決は正直打ちたくないでしょう。
3マナ3/1威嚇に手札見られた挙げ句、4マナの除去と1:1交換ってのは一般的にはあまり利口なやり方じゃないですからね。
なので、当然躊躇います、普通は。
するとそこにつけこまれるというのが僕のイメージです。
相手が上手ければ上手いほど。
この3/1威嚇を放置するとあっというまにライフがなくなります。僕の経験上ではw
すると、コントロールにとっていちばん有利な土俵である中盤~終盤にたどり着くことなくゲームが幕を閉じてしまうんですね。
なので、ゾンビは多少もったいなくてもなるべくはやめに除去することにしています。
アドバンテージに関しては
・人脈とエレボスはできる限り速やかに対処するか、それができるように備えをしておく
・相手は結局終盤の啓示トップに対して回答を持たないので巨大な啓示を打てるようになるまで1ターンでも長く生き延びる
以上の2点を強く意識してるので、1:1交換はけっこうやっちゃう派ですね。僕的には。
あとハンデス入ってるデッキに対しては構え得持ち得って要素が薄いのも付け加えておきます。
この点についてはみみみさんも軽く言及されてますねw
こちらこそ長文失礼しましたm(__)m
例えば4種類の除去のうち評決有無の情報は結構大きいかも?と。
もし評決が今引き(相手に知られてない)だったら相手の追加展開も望めるかと思うので、当然ゾンビの攻撃1回はテイクすると思います。
除去打たないの相当怪しいので、ケアされる可能性アリですが。
評決が知られている場合は、ゾンビ残してれば追加展開無いと思うのでこちらも1回はテイクしてエンドに除去、を選択するかなと。
エスパー使った事無いですが、私ならこんな感じでプレイします。
>ゾンビプレイされた時点でのハンド情報何も書かれてないんですが、大事な情報じゃないかなぁと。
失礼、それは確かにそうかもしれませんね!
そのどちらかだとご指摘の通り前者はちょっと不自然なので僕なら後者のほうが好みですね。
ご意見ありがとうございます。